【図解付き】家族信託とは?相続や遺言との違い・メリット・リスクをわかりやすく解説!
家族信託って何?相続との違いがわからないあなたへ
「親が高齢になってきたけれど、もし認知症になったら財産はどうなるの?」
「遺言書では不安…。最近よく聞く“家族信託”って何?」
こんな不安や疑問を持つ方に注目されているのが「家族信託」です。
相続・遺言・成年後見制度だけでは対応できない、柔軟な資産管理と承継の方法として今注目を集めています。
この記事では、家族信託の仕組み・相続との違い・メリットと注意点を、はじめての方にもわかりやすく解説します。
① 家族信託とは?図でわかる仕組みと登場人物
● 家族信託とは?
「信頼できる家族に財産の管理・運用・処分を任せる契約」のこと。
「民事信託」の一種で、主に親(委託者)が子ども(受託者)に財産管理を任せ、最終的な利益を受けるのは再び親(受益者)という仕組みです。
● 家族信託の登場人物は3つ
登場人物 |
役割の説明 |
---|---|
委託者 |
財産の持ち主(例:親) |
受託者 |
財産を管理する人(例:子ども) |
受益者 |
財産の利益を受ける人(例:親) |
● 民事信託との違い
民事信託は個人間で行う信託全般を指しますが、「家族信託」はそのうち家族間で行う民事信託のことです。
● 【図解】契約イメージ
(親が委託者→子どもが受託者→親が受益者)
② 相続・遺言・成年後見制度との違い
比較項目 |
家族信託 |
遺言書/相続 |
成年後見制度 |
---|---|---|---|
開始時期 |
生前から開始可能 |
死後に効力発生 |
本人が判断力を失った後に発動 |
財産管理の柔軟性 |
高い(事前に設定可能) |
制限あり |
制限あり(裁判所の許可が必要) |
認知症対策 |
有効(発症前に設計可) |
無効 |
有効だが、手続きや制約が多い |
▶ 家族信託は、「元気なうちに備える」ための方法です。
③ 家族信託のメリット・デメリット
✅ 主なメリット
-
認知症対策として、財産を事前に信頼できる家族に託せる
-
不動産の売却・賃貸・管理を柔軟に対応できる
-
相続開始後のトラブルを未然に防げる
-
成年後見制度と比べて自由度が高く、裁判所の監督も不要
⚠ 主なデメリット・注意点
-
設計ミスがあると信託契約が機能しなくなるリスク
-
税務面での処理が複雑で、専門家のサポートが必要
-
受託者には法律的な管理責任・義務が発生する
-
すべてのケースに最適ではなく、遺言の方が適している場合も
④ 家族信託が向いている人・向いていない人
向いているケース |
向いていないケース |
---|---|
高齢の親が不動産を所有し、将来の管理が不安 |
財産が少額で、信託を組むほどでもない |
共有名義の不動産を将来売却したい |
家族間の関係性に不安・トラブルの可能性がある |
成年後見制度では柔軟に対応できない状況 |
簡易な相続だけなら、遺言の方が合理的 |
▶ どちらの制度が合うかは、「目的」と「家族関係」によって異なります。
⑤ 家族信託で管理できる財産と注意点
● 信託可能な財産
-
不動産(自宅・賃貸物件・土地)
-
預金(一部の金融機関では信託口座に制限あり)
-
株式(非上場株も対象にできる)
● 注意点
-
不動産は「信託登記」が必要(登記簿に信託が明記される)
-
財産を動かす際は「受託者名義」で行うため、取引先への説明が必要
-
税務面は、贈与・譲渡・所得の扱いが複雑なため、税理士に相談を
⑥ 家族信託の契約手続き・費用の流れ
● 手続きのステップ
-
ヒアリング(家族の課題や希望を整理)
-
信託契約の設計(専門家とともに)
-
契約書の作成(公正証書または私文書)
-
信託不動産の登記(必要な場合)
-
信託開始→運用・終了までの設計
● 費用の目安
-
設計+契約書作成:20〜40万円
-
公正証書作成:3〜5万円前後
-
登記費用(登録免許税含む):不動産1件につき5〜10万円
-
トータル:30万〜70万円程度が相場
⑦ よくある質問(FAQ)
質問 |
回答のポイント |
---|---|
認知症になった親の不動産、家族信託で管理できる? |
発症前の契約が必要。発症後は家族信託は使えません。後見制度を検討。 |
家族信託は遺言の代わりになる? |
一部代替可能。ただし、死亡後の財産移転には遺言との併用がおすすめ。 |
贈与税はかかる? |
基本的に非課税。ただし、受益権を移す場合など条件により課税の可能性あり。 |
金融資産も信託できる? |
金融機関によって対応が異なる。信託口座の取り扱いに注意。事前確認が必須。 |
✍️ まとめ|家族信託は正しく知って、活用を検討する時代へ
家族信託は、相続・認知症対策として非常に有効な仕組みです。
しかし、制度の理解が不十分だと、逆にトラブルや不要なコストが発生する可能性も。
自分たちの状況に合っているのかを見極めるには、まずは基本を理解し、信頼できる専門家に相談することが大切です。
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